岩科学校(重要文化財)  静岡県 22

所在 静岡県賀茂郡松崎町岩科北側442 電話番号 0558ー42ー2675 開館時間 9:00〜17:00 年中無料 入場料 300円
明治13年9月に完成した木造2階建ての寄棟造りの小学校。「岩科学校」建物は左右対称、外観は「なまこ壁」(重要文化財)
重要文化財岩科学校は、なまこ壁をいかした寺社風建築様式とバルコニーなど洋風を取り入れた伊豆地区最古の小学校 
日本では甲府の旧睦沢学校(明治8年)、松本の旧開智学校(明治9年)などに次ぐ古い小学校。明治12年当時、松崎では村内の教育振興熱が高く、校舎新築のための寄付金が集められました。「総建築費2,630円66銭 内寄付金4割余」 
2022年1月30日訪問
2022年1月30日訪問
教室風景 校長室 受付 玄関内部
2016年4月22日訪問
2016年4月22日訪問
 
鶴の間  2022年1月30日訪問
入江長八とはどんな人物
文化12年(1815年)、伊豆国松崎村明地(現在の静岡県賀茂郡松崎町)に貧しい農家の長男として生まれ、6歳で菩提寺の浄感寺塾に学ぶ。11歳の時、同村の左官棟梁、関仁助のもとに弟子入り、その当時から手先の器用さで知られた。
天保4年(1833年)20歳の時、江戸へ出て御用絵師である谷文晁の高弟、狩野派の喜多武清から絵を学ぶ一方、彫刻も学んだ。絵画や彫刻技法を漆喰細工に応用し、従来は建物の外観を装飾する目的の漆喰壁に鏝(こて)で模様を描いていたものを、絵具で彩色して室内鑑賞の芸術品に昇華させた。晩年、明治13年(1880年)、65歳で故郷を訪れ、岩科町役場や岩科小学校などで制作作業を行った。 明治22年(1889年)10月8日、深川八名川町(現江東区深川)自宅にて74歳で亡くなる。 
鶴の間  2022年1月30日訪問
 
玄関内部 2階の廊下  正面玄関
甘味処「開化亭」の天井に鏝絵の龍「目の片方はわざと入れられていない」
 岩科学校の庭内にある開化亭はもとは岩科商社として造り、後に岩科村役場として使用され、明治8年に建てられた由緒ある建物。移築復元され現在は休憩所として利用。玄関天井や旧西座敷の天井に描かれた漆喰鏝絵は入江長八の高弟佐藤甚三が制作したもの